お客様から
「もう少し家賃下がりませんか?」
などと言った交渉事を聞かされることは決して珍しく有りません。
この不景気です、“少しでも安く”は我々だって同じですから。
ただ、物件をご紹介するに当たり、見る前から
「もうちょっと下がりますか?」
と切り出す方も結構居るのですね。
値段交渉や条件交渉は、そのお客様の心情にこちらも動かされ、
(それならば大家さんに頼んでみよう)
と、こちらも意に感じて行うのが本来の流れ。
それを見る前から
「もっと安く!」って・・。
(あなた、まだ見てないでしょ・・・。)
って心境になっちゃいますよね。
そして、恐らくこういうお客様はどの不動産でも同じように
「これってもっと家賃下がりませんか?」
って言い続けているのでしょう(←ってあくまで想像ですが)。
やっぱりまずはキチンと物件を見て、本当に気に入って下さったとして、僅かに当初の予算をオーバーしてしまっている。払えなくは無いけど、この先の生活や親の了解を得るにはもう少しだけでも下がれば有難い・・・。
これですよ!我々不動産業者が望む美しい家賃交渉のストーリーは!
ま、話しが脱線しましたが、実は物件をご覧になって迷っている方からも
「あの、もうちょっと家賃って安くなったりします?」
と、こちらの顔色を伺いながら質問されたりするケースも有ります。
そうした場合、即答で
「出来ます!」とか「無理です!」
と言う流れではなく、その方のプロフィール(仕事の内容や保証人、さらには入居希望日など)を相対的に観て、この方なら大丈夫!と思うことが出来れば、条件面の交渉にも力が入る訳ですね。
なので
「分かりました、多少下がるように精一杯頑張ってみます」
と、ある程度ご希望に応えられますよ!と言うこちらの姿勢を見て頂きます。
でね、普通気に入ったのであれば、
「じゃあお願いしてみようかしら」
と言う展開になるのですが、最近はそのまま“フェードアウト”って感じでして。
気に入ったから「安くなったら借りたい!」
と申し出が有ったのではないのね。
先の流れと同じで、一応下がるかどうか「確認」しただけ。
したがって我々業者としては非常に悩ましい状況になりますって。
結局「下げますよ!」と言う手の内のカードだけ晒されて、そのまま放置されたって感じですもの。
ま、消費者の目線は大事ですが、家賃交渉に関してはどうにも駆け引きにも似たやり取りが多く、
大家さんとの間に入って一生懸命奔走する不動産屋の話しでした。