先日、引越の立会いが有りました。
20代後半の女性が、兵庫県での生活を切り上げて実家へ帰って行かれました。
実は彼女、まだ入居して3ヶ月しか経っていなかったのです。
今から4ヶ月程前、うちを訪ねて来た際に
「兵庫へ来て仕事を探したいのですが、部屋って借りられますか?」
と謙虚な姿勢で尋ねられたのを思い出します。
物件にもよりますが、本人の人柄や保証人の内容次第では「求職中」であってもご紹介が出来ます。
そして弊社でご紹介した物件を見た彼女は
「うわ~!ココ素敵ですね!ココにしようかな(笑)」
と言う感じでお申込みをしてくれました。
仕事こそまだ未定でしたが、話していてとても雰囲気がよく。
また連帯保証人も全く問題が無かったので後日無事に契約となりました。
そして、笑顔一杯で入居し、その後まもなく
「お陰様で無事に仕事も見つかりました!」
と言う連絡が来て、こちらもひと安心。
町のオシャレなカフェに仕事を見つけた彼女は、こちらから見ても楽しく輝いて見えました。
そして事有る度に
「本当に住み心地が良くて満足してます!」
って言ってくれるのですね。
こちらもこの仕事をしていて
「良かったな」って思える数少ない機会を得て嬉しく思っておりました。
そんな矢先、或る日彼女から電話が掛かって来ました。
「実は・・・。家庭の事情で実家へ戻る事になりそうなんです」
いつもと違い元気のない声でそう言うのです。
これにはこちらもショックですが、勿論部外者の我々が口を出せないことも有ります。
しかも彼女自身が
「家庭の事情」
とだけしか語らない以上、その辺りの詳しい内容まで聞きだす必要はありません。
それは業務の範囲を逸脱した単なる“好奇心”になってしまいますから。
今日、引っ越しの車に荷物を全て積み込み、
「本当に有難うございました。そして本当に住みやすかったです!」
と笑顔で助手席に乗り込む姿を見て感じました。
良いに付け悪いに付け、我々の仕事って“人生の節目”に立ち会うものなんだなって。
そして
「もしもまた兵庫で暮らすことになったら是非連絡して下さいね」
と、つい言ってしまいました。
彼女の言う「家庭の事情」を知り得ない身に、その台詞はもしかしたら不謹慎だったのかも知れません。
「えぇ」
とだけ複雑な笑顔を返した表情を見て、余計な事を言ってしまった・・・と反省しております。
それぞれが色々な問題を抱えて暮らしていることを今回の件で改めて肝に銘じ、また新しいお客様に対峙していく事を心に強く決めました。
どうかお元気で・・・。